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ポジティブな子育てについて

ポジティブな子育てとは、「肯定的」あるいは「前向き」と称される子育てに係わる考え方のことです。子どもの人権や非暴力の考えを土台として、子どもの主体性を育み、健やかな育ちを応援することを目的としています。ここでは、基本となる考え方についてご紹介します。

良いこと、できていることを具体的に褒めましょう

大人も子ども同様に、人から褒められればうれしいものです。そして、それは自信にも繋がります。だから、日々の暮らしの中、子どもの良い態度や行動について褒めましょう。時として、「褒めるところがありません」と耳にすることがありますが、褒めるポイントは良き態度や行動の結果でなくても大丈夫です。大人が期待するほどに上手くできなかったときでも、頑張りを認めてあげたり、今できていることに注目して褒めてあげられると良いです。大切なのは、何が良いのかを具体的に褒めることです。

子どもの学びを応援しましょう

子どもは、日常の生活を通して多くを学びます。子どもは、失敗も多くします。そのような時、叩いたり、けなしたり、ただ責め立てたりと、否定的な対応に終始しても建設的ではありません。次回へと繋がるヒントを授けるなどの前向きな対応を心がけましょう。子どもの過剰な要求に対しては、がまんさせることも大切です。たとえば、かんしゃくを起こした時、安全を確保した上で、嵐が過ぎ去るのを待つのも一つの方法です。叩いたり、怒鳴ったりと、子どもの感情を抑圧するのではなく、落ち着きを取り戻した後に、子ども自らが感情と向き合えるようサポートしましょう。

子どもの気持ちや考えに耳を傾けましょう

子どもが自分の気持ちや考えを受け止めてもらえたという体験は、気持ちを落ち着つかせ、大切にされているという実感を得る上でとても大切です。また、自分の気持ちや考えを相手に伝えることができるようになるきっかけにもなります。 まずは、子どもの気持ちや考えに耳を傾けましょう。そして、あなたの考えと異なっていたとしても、子どもの気持ちや考えを頭ごなしに否定するのではなく、「わたしはこう思うよ」というような返しができるように心がけてみてください。また、子どもの年齢や個々の発達に応じて、子どもに任せる幅を広げられると良いです。共感的な関わりは、子どもの主体性を育む上でとても大切です。

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良き実践者になりましょう

子どもは大人の姿からいろいろなことを学びます。だからといって、あなたが完璧である必要はありません。完璧な人なんて、どこにもいません。できる範囲で、子どもの学びのための良き実践者になってください。例えば、子どもに伝えるときは、「〇〇するな!」より、「〇〇しよう」と肯定的に返してみましょう。おもちゃやゲームを部屋にちらかしっぱなしなときは、片づけの手本を見せたり、一緒に片づけを行うなどして、子どもの学びをサポートしましょう。また、子どもの前で人をけなすようなことはつつしみ、公平で、柔軟な態度を見せるよう心がけましょう。

子どもの育ちについて知っておきましょう

子どもへの否定的な対応を避けポジティブな対応を心がけるためには、子どもの育ちについて知っていると助けになります。たとえば、2歳前後に訪れる第一自立期、その後の人見知り期などについてです。第一自立期に目立つ「イヤイヤ」という自我の芽生えについて知っていると、「言うことを聞かない子」と否定的な対応ではなく、選択肢を与えるなどのポジティブな対応がとり易くなります。こうした子どもの育ちに関する情報は、乳幼児健診や地域の子育てサークス等で知ることができます。また、発達には個人差があることについても知っておくと、不安解消に繋がり、ポジティブな対応が実践し易くなります。

もしも、子どもの育ちについて不安を抱えていたり、分からないことがあれば、一人で悩んだり、抱え込んだりすることなく、地域の子育てサポート機関(保健センター、又は保健所)に相談してみましょう。

ご自身の心身の健康も大切にしましょう

子どもへのポジティブな対応を心がけていても、子どもの言動にイライラしてしまったり、本来の子どもの姿が見えなくなってしまうことはあり得ます。しかし、それは、子どもの言動が引きがねになったにすぎず、あなたを取り巻く環境に主な原因がある場合も多いのではないでしょうか。体調不良、対処しきれないほどの忙しさ、人間関係における気疲れなど、原因はさまざまです。そんなとき、子どものためにも、十分な栄養や睡眠をとり、リラックスできる時間を作るなどして、ご自身のお体とこころも大事にしてください。

ストレスと上手に付き合う方法

参考

体罰等によらない子育てのために~みんなで育児を支える社会に
(厚生労働省)