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結愛ちゃんの死を悼んで

2018.06.12お知らせ

結愛ちゃんの死を悼んで

 今回の結愛ちゃんの虐待死について、弊会に対して沢山の悲しみと憤りの声が伝えられています。私たち、児童虐待防止全国ネットワークとしては、このような悲惨な事件が起きてしまったのは、無念でなりません。私たちは、こうした事件が二度と起きないよう、より効果的な法制度を整備したり、児童相談所や行政の児童虐待担当職員の増員と対応力の向上を実現するため、国や自治体に働き掛ける活動に、これまで以上に積極的に取り組みます。

 これとともに、行政職員でもない、専門家でもない、一人の市民としてできることを呼びかけていきます。たとえば、近所にいるはずの子どもの姿がしばらく見えない、頻繁に子どもの悲鳴が聞こえる、不潔な衣服を長い間着ている、夜間に一人で歩いている幼い子どもがいるなど、これらの子どもの背景には虐待があるかも知れません。このような、虐待されていると思われる子どもに気がついたら、市町村や児童相談所(189 イチハヤク 全国の児童相談所共通ダイヤル)に通告して下さい。

 「虐待かどうかわからない」というケースも少なくありません。通告によって、児童相談所や市町村の担当者が親子の状況を確認しますが、虐待でなければ、それでいいのです。通告によって、家庭支援センター、保健所などへの相談や子育てサービスなどにつながります。場合によっては、虐待された子どもが保護されることもあります。

 虐待かどうかの判断は、児童相談所などが行います。虐待を確認できる証拠などは要りません。また、誰が通告したかの秘密は守られます。

 虐待されている子どもが、自らSOSを出すことはたいへん難しいことです。「外からの目がなければ救われない。」これが子ども虐待の特徴です。私たち一人ひとりが、子どもの安全に目を向けることによって、子どもを虐待から守ると同時に、親が虐待による犯罪をしてしまうことを防ぐことができるのです。

 子どもたちの明るい未来の象徴であるオレンジリボンのもと、私たち一人ひとりができることをして、「子ども虐待のない社会」を一日も早く実現しましょう。

2018年6月11日

認定NPO法人 児童虐待防止全国ネットワーク
理事長 吉田恒雄